日記人間覚え書き

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ここに来てくれた貴方は今の私の顔を知らない。今の私の顔を知っているのは誰もいない。

お前の顔は

お前の顔は

この写真は、不気味だ。誰の顔だ。女の顔か、老婆か、それとも聖職者なのか。私はこいつを知らない。私は学生か、私は誰だ。私は便宜上私の名前を使っているが、私は誰だ。この女も私も写像に過ぎない。残念ながら、複製された私でしかない。不気味な写真は幾つもある。呪いだろうか。しかし、こんな時代だ、呪いもサブスクなんだろうな。私が物を書かないと死んでしまうのは、私は私である連続性を試したいからだ。だから、物事ひとつ忘れることも恐ろしい。嫌なことも良いことも全部覚えて思い出して、そして明日の話の種にしたい。種は蒔いたら刈らなくては。そうして、また種を蒔く。忘れるってよく言ったもんだ、心が無くなる。その通りさ、心が無くなるのさ。私は余すところなく生きていたいからね。私は覚えていたいのさ。でも、私だけ覚えているのも意味が無い。だから、複製に頼る。私は私を転写して、複製する。この女も、私も。